前頭前野の機能

前頭葉は人間の脳でとくに発達した領域であり、脳の三分の一を占める。にもかかわらず、とくに前頭前野がどのような機能を持っているかは、まだよくわかっていない。前頭葉の損傷や、かつて行われていた前頭葉切除(いわゆるロボトミー)のような人工的な措置によっても、たいがいは生命に異常はなく、視覚や聴覚にも特に変化はみられず、運動機能にも問題はなく、いっけん、ふつうに生活できるようにみえる。このため、前頭前野は「沈黙野」と呼ばれてきた。

その後の研究では、前頭前野は、短期的欲求を満たすような衝動を抑えたり、変化する状況の中で計画的にものごとを遂行する能力とかかわっていることが明らかになってきた。

ウィスコンシンカード分類問題(→デモ版)は、状況に応じて行動を変える能力を試す試験で、前頭前野に損傷を受けると、この課題の点数が下がることがわかっている。

また、前頭前野は短期記憶であるワーキングメモリ(作動記憶)の保持にもかかわっている。これは、たとえば数唱のテストで計測することができる。たとえば、電話番号のような無意味な数字の列を復唱したり、逆順に並べたり、小さい順に並べたりするような課題である。

(西暦2017-10-24 作成)