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「理系」と「文系」の区別は妥当か

大学入試の各科目の点数から、どの科目の得点が互いに相関するかを知ることができる。


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1980〜1985年度の、名古屋大学教育学部の入試科目の得点の因子分析[*1]


やや古い資料ではあるが、おおまかに見ると、第一の因子には、英語、数学、国語、そして弱いながらも社会と、多くの科目が寄与しており、一般的な学力を示しているといえる。第二の因子は、理科と社会が結びついている。これは、理系か文系かに分けることは難しい。第三の因子には、国語が単独で寄与しており、社会と英語もすこし関係している。第四の因子は、数学と理科がはっきりしたクラスタをつくっている。

教育学部という小さなサンプルではあるが、教育学部の中には多くの専攻がある[*2]。おおよそ、まず一般的な学力の高低があり、次に実学(法学、経済学、医学、工学など)と「虚学」が分かれ、「虚学」が文学系と理学系に分かれる、という解釈が可能である。「虚学と実学」の分類のほうが「理系と文系」の区別に先立つともいえる。この分析では芸術系や保健体育系科目は考慮されていないが、芸術系は虚学に分類され、どちらかといえば文学系に近いであろうと推測される。

一般的な学力を別にすれば、さまざまな学問は、「虚学ー実学」と「理系ー文系」という二次元平面上(虚数と実数の二次元ではない)にプロットできそうである。


(2017-05-14 作成 蛭川立