蛭川研究室

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瞑想時の脳波

FMθ

いわゆる瞑想が、たんに目を閉じてリラックスしている状態ではないことは、脳波の測定からも間接的に推測できる。下の映像は脳波の強さを色彩で表したもので、周波数の低い順に左上がδ派、右上がθ波、左下がα波、右下がβ波である。

通常、開眼で活動しているときにはβ波が主で、上の図は閉眼安静時である。おもに後頭部からα波が出る。

しかし、瞑想中には、α波は前頭部からも出るようになる。

さらに、保息を伴う深い瞑想状態では、前頭部からはより周波数の低いFMθ[*1]と呼ばれるθ波が出る。画像は、ハタ・ヨーガにおける、吸息の保息 antara kumbhaka を行っているときの脳波である。FMθは、加算作業やワーキングメモリ[*2]課題などに集中しているときなどに現れる脳波だとされるが、瞑想中にFMθが出るときには、高度に集中しながら深くリラックスしている状態であり、それは「思考なき気づき thoughtless awareness」と表現されることもある。意識の対象がない状態で覚醒しているという意識状態は、古代インド哲学で度々言及される概念である。

なお、このときは閉眼状態であったが、眉間のあたりに紺色の光の塊が見えていた。あたかもハタ・ヨーガにおけるアージュニャー・チャクラのようである。

脳波の同調

また、通常の閉眼安静時の脳波(上)とは異なり、瞑想中には、脳全体で脳波の同調がみられる(下)。

(被験者:蛭川立、計測:河野貴美子、西暦2004年12月。脳波画像の「aplha」は「alpha」の誤植。上の三つの画像は、蛭川立「映像を超えて-内的体験を記録/再生すること」『映像にやどる宗教、宗教をうつす映像』せりか書房、にも白黒で掲載。)

(2008-06-19 作成 2016-12-06 更新 蛭川立

*1:Frontal Midline theta rhythm。前頭正中部θ波。

*2:working memory。作業記憶。短期記憶の代表的なものであり、長期記憶と対になる概念である。