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蛭川研究室

蛭川研究室の「はてなブログ」版です

遺伝子からみた人類の系統関係

ABO式血液型

とくに日本でよく知られているのがABO式血液型の遺伝子である。A、B、それぞれの遺伝子には、地域による頻度の差がある。

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The Cambridge Encyclopedia of Human Evolution (1992)

アフリカからユーラシアに移住した現生人類の中で、ヨーロッパに移住したグループにAが多く、アジアに移住したグループにBが多いことがわかる。アメリカ大陸に渡ったグループはA,Bのどちらも持たない人たちが多数である。ベーリング地峡を渡った人たちが少数であり、ボトルネック効果が働いたと考えられる。オーストラリア大陸でも独特のパターンがみられる。

ミトコンドリアDNA

細胞質に含まれる(つまり精子に含まれない)ミトコンドリアの遺伝子は母親だけからの遺伝を、Y染色体の遺伝子は父親だけからの遺伝を知るのに適しており、両方をみることで、人類の拡散のパターンを立体的に知ることができる。母系遺伝のほうが人種と、父系遺伝のほうが語族とよく一致する。

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Human mitochondrial DNA haplogroup (Wikipedia)

東アジア

ミトコンドリア

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篠田謙一(2009)『日本人になった祖先たち

Y染色体の多型の分布をみると、チベットと日本に古い遺伝子が残っていることがわかる。日本では縄文人の遺伝子が、アイヌ琉球により多く残っている。九州から東日本にかけて、弥生時代に拡散した新しい遺伝子の勾配がみられる。縄文文化の外にあった先島は地理的に隔離されている。

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(2016/2559-08-11 作成 08-22 更新 蛭川立