「パラダイム」について追記

パラダイム」について

同じ現象でも、違う理論で解釈すると、違う現象のようにみえてくる。たとえば、「男性は母親に似た女性を好む」という事実(ではないかもしれない。これは譬え話)があったとして、環境決定論の立場からは「幼少時に母親のイメージが刷り込まれるからだ」と解釈でき、遺伝決定論の立場からは「男性は、女性の好みを決める遺伝子を父親から受け継いでいる」とも解釈できる。同じ現象であっても、二つの決定論的解釈は、一見、相容れないもので、二つの解釈を同時に視野におさめることは難しい。現象が複雑だからというよりは、理論を認識する側の人間にとって、同時に二つ以上の枠組みを認識するのが難しいのである。


(2016/2559-05-26 作成 蛭川立