読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

蛭川研究室

蛭川研究室の「はてなブログ」版です

ヒト上科の配偶システム

現生ヒト上科各種の配偶システム

和名 学名 配偶システム 体重の性比 精巣の体重比 月経周期 交尾日数
ボノボ(ピグミーチンパンジー) Pan paniscus 多夫多妻的 1.2 40日 不定
チンパンジー(ナミチンパンジー) Pan troglodytes 多夫多妻的〜一夫多妻的 1.3 0.27 35日 不定
ヒト Homo sapiens 一夫一妻的〜一夫多妻的 1.2 0.06 28日 不定
ゴリラ Gorilla spp. 一夫多妻的 1.6 0.02 32日 1〜3日
オランウータン Pongo spp. 一夫多妻的(単独性) 2.0 0.05 30日 2〜3日
テナガザル Hylobates spp. 一夫一妻的 1.1 28日 1〜2日

(山極寿一『人類進化論』2008年、65頁などを参考にして作表)

哺乳類の社会は全体的に一夫多妻的な傾向が強いが、ヒト上科の配偶システムは非常に多様である。ヒト属は、一夫多妻的なゴリラ属と多夫多妻的なチンパンジー属の中間にある。

排卵期以外での交尾は多夫多妻的社会でメスが複数のオスと交尾する仕組みと関係すると同時に、交尾行動が受精のためではなくコミュニケーションの役割を担っていることを意味する。これはとくにボノボで顕著なことで、同性愛的な行動も挨拶のようなコミュニケーションになっている。

またヒトでは、配偶関係が「婚姻」という文化的な象徴と結び透けられており、これは他の動物にはみられない、文化を持つ動物としての特徴でもある。


(2015/2558-05-19 作成 蛭川立