フィールド・アプローチⅡ 西暦2016年度に向けて

2015年度は履修登録者なしで開講しないことになりました。しかし、海外調査を計画している皆さんの個別相談は引きつづき受け付けます。このページも来年度に向け、折に触れて加筆していきます。

秋学期の「フィールド・アプローチ」では、フィールドワークの理念というよりは、むしろ、きわめて実践的な方法論について議論します。たとえば、理念としては「調査地の人たちと信頼関係を築く」ことは、もちろん重要であり、フィールド・アプローチⅠではそうしたテーマも扱いますが、更なる応用編として「人を見たら泥棒と思え」という護身術も身につける必要があるのです。

たとえば、海外では、片言の日本語で親しげに話しかけてくる人たちがいます。学校で日本語を勉強している。日本が好きで、日本人の友達がほしい。日本語の勉強にもなるので、話し相手になってほしい、等々です。多くの人たちは、本当にそう思っているのでしょう。しかし残念ながら、それが日本人相手の犯罪の常套手段であることもまた、知っておく必要があるのです。

しかし、ただ犯罪者を断罪するつもりもありません。犯罪者を生むような社会の歪みについてもまた、知る必要があるでしょうから、同時にそうした問題についても、議論ができればと思います。

シラバスにも書きましたが、この授業で扱おうとしたテーマは、おおよそ以下のようなものです。

移動手段(飛行機,船,列車,バス,タクシー,三輪タクシー,自転車,徒歩)
治安(政情不安,犯罪)
衛生状態(食事,風土病,予防接種,薬,保険と病院)
言語(現地語,公用語,英語)
ガイドと通訳,貨幣価値,持って行くものと現地調達するもの
訪問時期(季節,訪問先の暦法と儀礼・祭礼のスケジュール)
どこに滞在するか(ホテル,ホームステイ,集会所など)・どれぐらいの期間滞在するか
信頼関係を築く方法・謝礼とお土産
調査方法(参与観察,聞き取り,質問紙など)
記録のための機材(ノート,カメラ,ビデオカメラなど)
雑談の中から必要な情報を引き出す方法
調査する側とされる側の年齢・性別・社会的地位をめぐる関係
禁忌(聞いてはいけない事柄,行ってはいけない場所,撮影してはいけない事柄など)への対応
祭礼・儀礼等への参加,約束の不確かさ(借りたものを返さない,約束の時間に遅れるなど)への対応
その他のトラブル(人間関係,金銭面など)への対応方法


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(2015/2558-04-26 作成 10-07 修正 蛭川立