自殺と殺人の地域比較

自殺率と殺人率を国別にプロットしたもの[*1]殺人率と自殺率は反比例しており、殺人率の高い国(ラテンアメリカなど)と自殺率の高い国(旧ソ連など)に二極分解している。日本は後者である。ただし、県別の統計でみると、日本国内でも殺人率と自殺率に負の…

知能・パーソナリティの小進化と遺伝子・文化共進化

知能 知能を、知能検査で計測できる1次元的な指標とすると、これには、サハラ以南のアフリカ<北アフリカ〜南アジア<ヨーロッパ系<東アジア、という人種差があることが知られている。 国別の平均IQ[*1]この差がどのような要因で生じるのかについては議論…

精神医学における妄想と観念

妄想と観念 「妄想」とは、事実とは異なることを信じてしまうことである。これに対し、精神医学でいう「観念」、とくに「強迫観念」とは、事実とは異なっているとわかっていても、どうしても気になってしまう状態のことである。いずれも程度の差こそあれ、健…

Powers of TenとCosmic Calendar

Powers of Ten (パワーズ・オブ・テン) 日本語字幕 イームズ、C.・イームズ, R. (1977)『Powers of Ten』 Carl Sagan - The Cosmic Calendar [Cosmos] セーガン, C.「The Cosmic Calendar」(1980)『COSMOS』 (2017-04-13 作成 蛭川立)

人類学という視点

人類学の背景 人類学 anthropology は、人間を研究する学問である。しかし、そう定義しただけでは、人文・社会科学のすべてが「人類学」になってしまう。人類学という領域設定の背後には、ヨーロッパの創造論的世界観における、鉱物、植物、動物、人間、(そ…

「虫の知らせ」

遠く離れた場所にいる人からの「知らせ」があったり、その人の姿が見えたような気がするという現象は、まれではあるが多くの人が体験している。その中では、親族の死や危機というテーマがとくに多く出てくる。(以下は、明治大学の西暦2004年度の学生のレポ…

「理系」と「文系」の区別は妥当か

大学入試の各科目の点数から、どの科目の得点が互いに相関するかを知ることができる。 1980〜1985年度の、名古屋大学教育学部の入試科目の得点の因子分析[*1] やや古い資料ではあるが、おおまかに見ると、第一の因子には、英語、数学、国語、そして弱いなが…

「テレパシー」と「共時性」

「虫の知らせ」 沖縄には、女のほうが男よりも強い霊力をもっていて、男を霊的に庇護するという観念がある。とくに、姉妹と男の兄弟との間には、特別な霊的な絆があると考えられてきた。琉球王国の神女組織の長であった聞得大君(きこえおおぎみ)は、ふつう…

オーストラリア先住民美術

岩壁画と樹皮画 オーストラリアにおける絵画の伝統は、この大陸に人間が移住した五万年前に遡ることができる。 ジャビルーを中心とするカカドゥ地域 カカドゥ国立公園ウビルーの岩壁画ハエが多いので顔全体を覆わなければならない壁画は長年の風雨にさらされ…

問題解決ゼミナール 西暦2017年度

春学期 各人の就職活動の状況によって柔軟に運営します。 04月12日 顔合わせ 04月19日 今後の展望など 04月26日 (休講) 05月03日 (休日) 05月10日 (休講の予定) 05月17日 (未定) 05月24日 (未定) 05月31日 (未定) 06月07日 (未定) 06月14日 (…

オーストラリアからの帰還

オーストラリアの長い歴史 138億年前。宇宙の始まり。終わりは不明。地球ができてからすぐの、40億年にさかのぼれる地層が広がっている。1億年前。昼の世界を支配する恐竜の背後で哺乳類が進化。5万年前。人間(オーストラリア先住民)がオーストラリアに…

問題分析ゼミナール 西暦2017年度

春学期 春学期は『彼岸の時間』をテキストにします。 04月12日 (導入) 04月19日 01章 井上 04月26日 (休講) 05月03日 (休日) 05月10日 02章 平井 05月17日 03章 井上 05月24日 04章 平井 05月31日 05章 井上 06月07日 06章 平井 06月14日 07章 井上 06…

問題発見テーマ演習A(西暦2017年度)

進行予定表 04月13日 (導入) 04月20日 彼岸01章 佐藤 04月27日 彼岸02章 橋本 05月04日 (休日) 05月11日 彼岸03章 イム 05月18日 彼岸04章 田村 05月25日 彼岸05章 06月01日 彼岸06章 06月08日 彼岸07章 06月15日 彼岸08章 06月22日 彼岸09章 06月29日 …

蛭川研究室コンテンツ目次

完成度がある程度以上のコンテンツ 草稿・下書き (2017-05-03 作成 蛭川立)

シュピースの絵画

バリにおける作品 Preangerlandschaft (1923) Sawas im Preangergebirge (1923) Calonarang (1924) Die Krabbenfischer (1924) Desa mit Sumbing (1924) Heimkehrende Javaner (1924) Laterna Magica(1926) Traumlandschaft (1927) Road on Bali (1928) Bali…

蛭川担当の講義を受講する諸君へ(西暦2017年度)

講義はライブである。とくに今年度は新しいカリキュラムの初年度でもあり、必ずしもシラバスの予定どおりには進まないかもしれない。また内容も多少変更する可能性がある。講義計画は実際の授業の進行に合わせて随時アップデートしていく予定であり、授業情…

外部サイトへのリンクと引用について

本文内でのリンクの張りかた 本文内で、黒字の下に薄いアンダーラインがある部分は、はてなキーワードへの自動リンクです。とくになにも断らずに語句が青字になっているのは、原則としてWikipediaへのリンクです。その他のサイトへのリンクは、必要に応じ、…

記事の信頼性について

このブログにアップしているテキストは、基本的に大学での講義用ノートです。不完全な部分はありますが、講義で、注釈を口述して補います。自分の専門分野について書いているとはいえ、内容が百パーセント正しいということはありません。そもそも、およそ書…

スプーン曲げと「指曲げ」とー何が「超常現象」なのか?

スプーン曲げ騒動 (詳細は、NHK科学・環境番組部(2013)『ザ・プレミアム 超常現象(1)秘められた未知のパワーー超能力ー』を参照) 目の前で唐突にスプーンを曲げられて呆然、視線が宙に浮いている蛭川。2014年、ロンドン郊外のユリ・ゲラー Uri Geller …

西暦2017年度蛭川担当科目

曜日・時限 春学期 秋学期 教室 火2 情報コミュニケーション入門B 学部・和泉校舎210教室 火3 情報コミュニケーション入門B 学部・和泉校舎211教室 火4 不思議現象の心理学 身体と意識 学部・駿河台校舎1012教室 水2 専門演習・人類学と意識科学Ⅰ 専門…

情報コミュニケーション入門B(西暦2017年度)

石川幹人・蛭川立の2人で「超常現象を信じる心について」と題して対談形式の授業を行います。春学期は06月20日(火曜)3限・和泉校舎211教室 秋学期は11月28日(火曜)2限・和泉校舎210教室ということで、春学期と秋学期で時間と教室が異なります。内容の…

睡眠という不思議

下記のような症状が大流行している。 ほぼ毎日のように意識を喪失し、短い場合でも3時間程度、長い場合には10時間以上にわたって繰り返し幻覚状態に陥った後、意識を回復する。幻覚の内容には著しく不快なものがあるが、意識回復後、すぐに忘れてしまうこと…

陰陽五行の世界観

漢民族の世界観 民族を言語で定義するなら、漢民族は中国語を話す人たちだと定義できる。中国語というのは単一の言語というよりは、方言の集まりである。方言とはいっても、音声では互いに通じないほど違うので、方言と呼ぶのは適切ではないかもしれない。そ…

干支

干支の由来 十干(じっかん)とは、陰陽五行の2×5=10となる分類体系で、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸からなる。また、それぞれを、木・火・土・金・水の五行の陰陽として、木兄(きのえ)・木弟(きのと)…と呼ぶこともある。陰陽と五行を結び…

脳の状態としての意識の状態

脳の状態としての意識の状態 精神が物質世界をつくるという唯心論的な立場に立てば、異なる意識状態が異なる現実をつくるというのは、むしろ当然の考えである。いっぽう、唯物論的な立場からすれば、「本当の覚醒」状態とされる意識状態が存在すること自体は…

変性意識体験と性的欲動

修道女の恍惚体験 宗教的な変性意識体験は、しばしば性的な色彩を帯びる。たとえば、中世ヨーロッパの修道女の霊的体験は、神やその子であるキリストとの合一感によって表現される。ベルニーニの『聖テレジアの法悦』[*1]のモデルになった、16世紀スペインの…

身体と意識(西暦2017年度)

講義概要 睡眠中に見る夢は、変性意識状態、つまり日常とは異なる意識状態の代表的なものである。人生の三分の一は睡眠状態、つまり幻覚を伴う意識消失状態なのだが、我々の社会はそれを病理だとは考えない。変性意識状態には、夢のほかに、催眠状態、臨死体…

不思議現象の心理学 西暦2017年度

講義概要 昔の人々は雷が鳴ったり火が燃えたりすることを「不思議現象」だと考えたのかもしれない。物理学や化学が発達した現代では、電気は不思議現象ではなくなったどころか、もはや電子機器なしの生活など考えられない。テレパシーや念力など、現在、「超…

人類学B(西暦2017年度)

講義概要 人間は、解剖学的構造や生理学的機能において他の動物と変わるところはない。しかし人間は、文化を持つ動物である。集団を作り生殖を行うという動物的な行為を、親族や婚姻といった象徴的な観念によって改めて意味づけし、そして、ときにその観念の…

人類学A(西暦2017年度)

講義概要 人間は、解剖学的構造や生理学的機能において他の動物と変わるところはない。しかし人間は、文化を持つ動物である。集団を作り生殖を行うという動物的な行為を、親族や婚姻といった象徴的な概念によって改めて意味づけする。とりわけ、芸術や宗教な…