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蛭川研究室

蛭川研究室の「はてなブログ」版です

現代思想「マトリックスの思想」

蛭川立「因果律、変則性、明晰夢ー自由意志の性質に関する形而下的考察ー」 渡辺恒夫「明晰夢、死、転生ー世界という夢から覚めるために−」

精神分析から政治人類学へ

(無理は承知で、南米北西部の先住民社会とフロイト/ユングの意識/無意識の概念図を対応させてみました。) (2016/2559-07-04 作成 蛭川立)

家族図の表記法

男は四角か三角か? このブログでは、家族図の中で、おもに文化人類学的な表記法を使っています。自然人類学など、多くの他分野との違いは、文化人類学では男性を△で表すのに対し、他の分野では□で表すことです。女性が○であるのは同じです。他の多くの分野…

専門研究・人類学と意識科学Ⅰ・Ⅱ(西暦2017年度)

主に大学院修士課程の学生諸君を対象とした授業ですが、2017年度は受講希望者がおらず、開講しないことになりました。(聴講生二名の希望はあったのですが、正式な受講希望者がいないと、授業は成り立ちません。) (2017-04-06 作成 05-03 更新 蛭川立)

遺伝子からみた日本列島民の系統

二重構造説 日本人は、日本人の起源論が好きである。実際、日本人の系統は単純ではなく、いまだに詳細がわかっていない。民族集団の系統関係と言語の系統関係がよく一致することから、言語の類似性から人種や民族の系統を探る試みが続けられてきた。言語学的…

起源神話の行列による表記

行列による対称変換で南米先住民の神話を表現する。文化起源神話は、まず、現在の人間は文化を持っているが、人間以外の動物は文化を持たない自然状態である、ということを前提とする。そして、その筋書きは もともと文化を持っていなかった人間が、動物から…

起源神話における時間対称性の破れ

楽園追放 地球上で最もよく知られるようになった起源神話は、『聖書』の「創世記」であろう。創造神に「食べてはいけない」と指定された果実を食べてしまう、という出来事をきっかけに、人間は分別知を得るが、その代償として、人間は、農耕を行わなければ生…

邪術がもたらす均衡

出る杭は打たれる キリスト教暦で2001年の9月11日、ニューヨークのワールドトレードセンターが、乗っ取られた飛行機による自爆テロで崩れ落ちた。21世紀の始まりを象徴するかのような不気味な事件だった。この日僕はアマゾン上流のとある町に滞在していたの…

科学と非科学の線引き問題

「科学」という日本語 まず最初に触れておきたいのが「科学」という日本語の意味である。日本語で「科学」というのは、もともと個別科学という意味だが、現在ではより強い意味で使われるようになっている。日本語で「科学」または「科学的」という言葉を使う…

アマゾン先住民シピボのシャーマニズム

豊かな<南>の社会 アマゾン上流で最大の支流のひとつであるウカヤリ川は、アンデスの高地から流れ出す小さな支流を集め、ペルー領内を細かく蛇行しながら北上する。その流れにそってシピボまたはコニボと呼ばれる、パノ系の言語を話す先住民族が暮らしてい…

2016年度 人類学B

詳細は追って書き加えていきます。時折最新情報をチェックしておいてください。地名や場所は随時地図でチェックすることをお勧めします。オンライン地図の定番は「Google Maps」です。 日程 テーマ 内容 09/29 導入 ●全体の展望 ●自民族中心主義とその鏡像 ●…

人類の進化と大脳化

霊長類の進化 中生代の終わり、6500万年前に恐竜が絶滅した後、新生代が始まる。このときに、昼行性の恐竜に対し、夜のニッチでひっそりと暮らしていた哺乳類(有胎盤類)が急速に適応放散した。霊長類(サル目)も、このときに登場した。霊長類は樹上生活に…

身体と意識 2016年度

講義は「生もの」です。内容は随時アップデートします。最新情報をチェックしておいてください。【09/20】 ・全体の展望 ・精神と物質の関係ーなぜそれが問題なのか?あるいは問題ではないのか? ・心物問題と心身問題 ・神経細胞・神経系 ・脳とその構造【0…

よくある質問と回答

【質問】結婚していますか。家族構成はどうなっていますか。【回答】生物学的な両親が日本におります。おかげさまで健在です。両親ともに日本生まれです。DNAのハプログループは、父系がD1bで、縄文人のマジョリティです。母系はR11で、西南アジアに由来する…

「人間のような」人工知能を目指すのは無駄か?

蛭川立 結婚

人類学A 西暦2016年度

人類学Aの予定表です。建設中です。授業は「生もの」です。公式のシラバスどおりに進むとは限りませんので、随時、このページを参照しておいてください。 毎週の予定 日程 テーマ 内容 04/14 ガイダンス ●「人類学者」としての蛭川の関心の所在 04/21 人類学…

「パラダイム」について追記

「パラダイム」について 同じ現象でも、違う理論で解釈すると、違う現象のようにみえてくる。たとえば、「男性は母親に似た女性を好む」という事実(ではないかもしれない。これは譬え話)があったとして、環境決定論の立場からは「幼少時に母親のイメージが…

インドネシア・バリ島の火葬儀礼

インドネシア・バリ島の火葬儀礼 インドネシアのバリ島では、日本と同じように、インドに由来する火葬が広く行われている。しかし、その華やかさには、驚かされるものがある。その背景には、どのような死生観、世界観があるのだろうか。火葬には膨大な費用が…

蛭川担当 情報コミュニケーション学入門

精神と身体の関係 「精神と身体の関係」という漠然としたタイトルですが、いわばこの講義シリーズは、それぞれの教員の自己紹介のようなものです。「情報コミュニケーション学部」という学際的な学部は、ともすれば何を学ぶ学部なのか、よくわからないという…

地球生物の中での人類の位置

地球生物の中での人類の位置 Domain ドメイン Bacteria 細菌 Archaea 古細菌 Eucaryota 真核生物 Kingdom 界 Protista 原生生物界 Plantae 植物界 Fungi 菌界 Animalia 動物界 Class 門 Chordata 脊索動物門 … Subphylum 亜門 … Vertebrata 脊椎動物亜門 Phy…

人類学という視点

人類学という視点 人類学 anthropology は、人間を研究する学問である。しかし、そう定義しただけでは、人文・社会科学、あるいは医学など、人間を扱う自然科学の一部までのすべてが「人類学」になってしまう。人類学という領域設定の背後には、西洋の創造論…

「麻薬」という民俗分類

ドラッグはなぜ禁止されるのか 儀礼の中で、あるいは嗜好品として使われる向精神性の薬物・植物は、おおきく三種類に分類される。まず第一のグループが覚醒剤やコカイン、カフェイン、アレコリン(ビンロウジュの実の主成分)などの興奮剤で、眠気やだるさを…

問題分析ゼミ 西暦2016年度

問題分析ゼミ(学部三年)のスケジュールです。予定は随時加筆修正していきます。 日程 担当 内容 04/13 (ガイダンス) 04/20 佐立 インドネシア・バリ島の文化(1) 04/27 インドネシア・バリ島の文化(2) 05/04 (祝日のため休講) 05/11 (中止) 05/…

フィールド・アプローチⅡ  西暦2016年度

秋学期の「フィールド・アプローチⅡ」では、フィールドワークの理念というよりは、むしろ、きわめて実践的な方法論について議論します。理念としては「調査地の人たちと信頼関係を築く」ことは、もちろん重要であり、フィールド・アプローチⅠではそうしたテ…

問題解決ゼミ 2016年度

西暦2016年度の問題解決ゼミのスケジュールです 日程 担当 内容 04/13 (ガイダンス) 04/20 (就職活動等により休止) 04/27 (就職活動等により休止) 05/04 (祝日のため休講) 05/11 (近況報告) 05/18 (一回休み) 05/25 映画上映+討論 06/01 善長 …

人種・民族・文化

人種と民族と文化と、あるいは国籍とは区別されなければならない。たとえば「日本人」といった場合、「民族としての日本人」には、アメリカや南米に移民した日系人も含めることができるし、「日本国籍を持つ人」には、北海道のアイヌも含めることになる。ア…

サイケデリックス

単純な分子構造と複雑な意識変容 典型的なサイケデリックスは、DMTやシロシン・シロシビンなど、セロトニン(5-HT)と非常によく似た構造を持っており、5-HT2受容体のアゴニストだと考えられている。単純明快な分子構造でありながら、変則的体験、超常的体験…

シャーマニズムと精神疾患の近現代史

シャーマニズム シャーマニズムとは、シャーマン shaman と総称される、呪術・宗教的職能者が、ある種の変性意識状態に入り、超自然的な世界と直接交流することによって、クライアントの病気を治したり、失せ物を探したりする(とされる)実践と信念の体系で…

西暦2016年度蛭川担当科目一覧

西暦2016年度の明治大学での蛭川担当科目の一覧です。曜日・時間と教室は暫定的なもので、変更になる可能性があります。毎週の授業内容は、このページからリンクを辿ってください。授業はライブです。「生もの」です。公式のシラバスとは教室や時間が変わっ…

アヤワスカ

アヤワスカとチャクルーナ アヤワスカ ayahuasca は、アマゾン川上流域で儀礼的に使用される薬草茶である。ケチュア語で「aya」は、「死」「霊」という意味であり、「huasca」は、熱帯雨林で大樹に絡みつく蔓植物のことである。 中国語では「死藤」と訳され…

神経伝達物質と向精神薬

ドーパミン、ノルアドレナリン(ノルエピネフリン) ↑ 興奮剤(コカイン、メタアンフェタミン(覚醒剤)など)(ニコチン、カフェインもこれに類似) ↓ 抗精神病薬 セロトニン(5-HT) ↑ 精神展開薬(サイケデリックス)(MDMAやTHCもこれに類似) ↑ 抗うつ…

近代ヨーロッパと自然科学的コスモロジー

「コスモロジーの地域史略論」に書いたとおり、現在、グローバル・スタンダードになっている(恐らくは地球外でも普遍的に通用しうる)自然科学的なコスモロジーは近代ヨーロッパに由来する。その原型は古代ギリシアの哲学にみることができる。自然科学的な…

遺伝子からみた人類の系統関係

ABO式血液型 とくに日本でよく知られているのがABO式血液型の遺伝子である。A、B、それぞれの遺伝子には、地域による頻度の差がある。The Cambridge Encyclopedia of Human Evolution (1992)アフリカからユーラシアに移住した現生人類の中で、ヨーロッパに移…

血液型トーテミズムと婚姻規則

日本を中心とする極東アジアには、ABO式血液型とパーソナリティとの間に関係があり、また各々の血液型ごとに、互いに好ましい結婚相手などの相互関係があるという観念がある。統計的な研究によれば、実際の相関関係はないか、あってもわずかであり(予言の自…

心物問題の近代と現代

西洋世界で起こった近代科学の急速な発展によって、十九世紀までに心物問題(あるいは心脳問題)は、ほぼ解決してしまったようにみえた。つまり精神と物質との関係において、物質が第一であって精神という実体は存在しない(唯物論)か、たかだか精神は物質…

日本列島の精神文化史概論

縄文時代 日本列島の文化があるひとつのまとまりをなしてからの歴史を人類学的に振り返ると、大きく縄文以前と弥生以降に二分される。弥生以降の文化がもっぱら中国大陸の影響を強く受けてきたのに対し、縄文以前の文化は環太平洋地域の先住民文化とのつなが…

インド・ヨーロッパにおける心物問題の略史

西洋近代における心物問題 古来からのアニミズム的世界観は、もっぱら物と心の関係については素朴な「二元論 dualism 」であった。(日本語の「モノ」は霊的な実体概念も含む。)同じ世界の中に物質的実体と精神的実体が素朴に共存しており互いに相互作用す…

精神疾患の大まかな見取り図

正気と狂気の狭間 程度の差こそあれ、人はしばしば悩む。感情的になることもある。感情的になると、しばしば合理的な判断ができなくなる。ある心理状態や行動が「正常」か「異常」かは、ある社会の中で当事者や周囲の人たちがどれほど苦痛を感じるかという、…

瞑想とヨーガ

サマタとヴィパッサナー ヒンドゥー教、ジャイナ教、仏教という区別にはかかわらず、インドの宗教の基本にあるのが瞑想である。インドの宗教は、なにか外部の存在を信じるというよりは、自己の内部を探求することを重視する。その点では宗教というよりは哲学…

明晰夢・体外離脱体験時の脳波

睡眠脳波の計測 EEG measurement of lucid dream 東邦大学理学部渡辺恒夫研究室での明晰夢脳波計測(西暦1999年)頭部には、C3、C4、O1、O2の四ヶ所に電極をつける。 国際10-20法による電極の位置[*1]。耳朶の A1 と A2 は基準電極である。 「いま夢を見てい…

輪廻と中有の観念

輪廻の観念 地球上のほとんどすべての伝統社会が、死後の霊魂という観念を持つ。転生、つまり霊魂がふたたび肉体に宿って現世に戻ってくるという観念を持つ社会は世界中に存在するが、それほど多くない。古代インド哲学・仏教思想を特徴づけるのが輪廻転生の…

神秘体験と側頭葉

神秘体験と側頭葉 ワイルダー・ペンフィールドは、てんかん epilepsy の外科的治療の一環として、大脳皮質を直接刺激することによって、さまざまな体験が引き起こされることを明らかにした。とりわけ側頭葉を刺激することで、光を見る、精神と身体が分離する…

意識の諸状態

四つの意識状態 人間の意識は複数の状態をとりうる。そして複数の意識状態に対応した複数の現実 reality が存在する。たとえば、古代インドの『マーンドゥキャ・ウパニシャッド』は、人間の意識状態を四種類に分類している。 1 「覚醒」状態 2 夢のない睡…

物理学は「超常現象」をどのように扱いうるか?(改訂中)

実験超心理学が研究対象にしている「超常現象」や「超心理現象」は、通常には起こりそうもないという意味で否定的に定義されて仮定された、雑多な現象群の総称であり、じっさいに研究が進んでいるのは、比較的安定して肯定的な結果を出している実験系が扱っ…

現代物理学と心物問題

世界を見ているのは誰か 科学の基礎となる物理学は物質についての科学である。物質の運動法則がわかればそれでいいし、技術的な応用もそれで事足りる。物理学は心や意識などの精神的領域を扱う必要がなく、唯物論モデルだけで無矛盾に記述できるように思われ…

喫茶養生記

南華会 意識状態に作用する薬草茶を研究するために、また、アルコールやカフェインの文化に対する代替案を提示するために、「南華会(なんかかい)」という会を名乗ったのが西暦2004年でした。「南華」とは、南の国の華やかな植物のイメージでもあり、『荘子…

アーネムランドの奇才画家

北オーストラリアの先住民画家、トンプソン・イルジリ(Thompson Yirrdjirri)氏は西暦1930年ごろ、西アーネムランドのグンバランヤ(オーエンペリ)に生まれたという。私がこの地を訪ねたのはようやく2014年のことで、残念ながら氏は数年前に亡くなられたと…

「性」と「死」の円環

エントロピーからの逃走 生命とは複雑にからみあった有機分子から構成される精巧なシステムである。動物であろうが植物であろうが、あらゆる生物の身体を構成する単位である細胞は、多糖とタンパク質からなる膜につつまれた微細な空間であり、その中では核酸…

「利己的な遺伝子」論から見た個体性

「良い」ことと、気持ち「良い」こと われわれはふだんの生活の中でごくふつうに「良い」とか「悪い」とかいう言葉を使うが、その意味をよく考えて使っているわけではない。今日は「良い」天気だ、とか、この曲はなかなか「良い」というときの「良い」は、ほ…

最近の著作一覧

○蛭川 立 (2009). 「密林の茶道ー茶の湯の人類学—」黒川五郎編『新しい茶道のすすめ』233-257. ○蛭川 立 (2009). 「星を観る眼(意識のコスモロジー)」『風の旅人』37, 29-32. ○蛭川 立 (2009). 「チェンマイ、彼岸の時空(意識のコスモロジー)」『風の旅…