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蛭川研究室

蛭川研究室の「はてなブログ」版です

このブログの記述の不十分さと、オンライン情報源へのリンクについて

 このテキストは、商用ブログである「はてなブログ」上にアップされています。特定の語句には、はてな独自のオンライン事典である「はてなキーワード」に自動的にリンクが張られています。その他(「はてなキーワード」への自動リンクを回避するという意図もあって)「wikipedia」や「youtube」などの情報源にもリンクを張っています。ただし、オンラインで公開されている情報は、すべてが正確なわけではありません。もっとも、その不完全性は、活字として紙に印刷されている情報でも同じです。このブログ自体の記述も百パーセント正しいとはいえません。

 しかし、重要なことは、完全な情報を求めることではなく、情報を批判的に利用することです。インターネット上でハイパーテキスト化された情報は、いわば人類の共有財産であり、その重要性は、紙媒体を急速に追い越していくでしょう。このブログを一般に公開していることも、そのような情報の共有化に、試験的に参加するという意味もあります。

 さて、情報を批判的に読む方法のひとつは、ある程度の専門知識のある人の注釈とともに読むことです。講義というのは、そのような注釈です。ネット上にアップしている教材は、講義の要点だけをざっと書き記したものであり、それだけでは不十分です。書いた当人の注釈を聞くことで、それは、より意味のある情報になります。質問があれば、その場で書き手に聞くことが出来ます。それが、授業料を払って授業を聞くことの意味でもあります。


(2016/2559-05-12 作成 蛭川立

明治大学蛭川研究室へのアクセス

研究棟はエッシャーの世界

明治大学駿河台キャンパスの建物群への行き方については、大学の公式サイトに「アクセスマップ」があります。しかし、研究棟がどこにあるのかは書いてありません。Googleマップにも書いてありません。

とある研究室のサイト上に、印刷可能な詳細な地図があります。ただし、ここ数年、校舎の建て替えが次々と行われていて、この地図と現状はすこし変わっています。

研究棟の二階以上は研究室になっており、二階に221号室があります。研究棟への入り口は主に三カ所あり、アクセスには四通りあります。リンク先の地図の順に従って書きます。

(1)まず、リバティータワー(23階建、近隣で最も背の高い建物)に入り、三階に上がります。そこから渡り廊下を渡って、研究棟の四階に行くことができます。

(2)リバティータワーの一階を通り抜け、いったん外に出てから、研究棟一階の守衛室のある入り口に入ることができます。

その他のアクセス方法としては以下の二通りがあります。

(3)裏側の、金華公園側の道路から階段を昇って、研究棟一階の守衛室のある入り口に入ることもできます。階段を昇ったところが研究棟の一階になります。

(4)山の上ホテルの左手から、木立の中の小径を歩いて行くと、守衛室のない、もう一つの入り口に入れます。地上から水平な道を辿った先ですが、研究棟に入るとそこは三階です。

さて、研究室へのもっとも確実なアクセスは、研究棟一階の守衛さんに行き先を告げ、内線で電話してもらうことです。しかし、「関係者」は守衛室の前を素通りすることもできます。研究棟三階の入り口には守衛さんはいません。代わりに「関係者」以外は立ち入ることを禁じる旨の看板が立っています。「関係者」を明確に定義することは困難ですが、いずれにしても、三階の入り口は、休日や深夜には閉まってしまいます。

実は、研究棟には、もう一つ、地下の秘密の通路があり、深夜や休日にはそこを通ることもできるのですが、ここでは、これ以上触れないことにします。

(2016/2559-05-05 作成 蛭川立

「人間のような」人工知能を目指すのは無駄か?

遅ればせながら最近、Googleで「蛭川立」と入力して検索しようとすると、「蛭川立 ブログ」や「蛭川立 彼岸の時間」などの他に「蛭川立 結婚」という候補が出てくることに気づきました。これは一体どういう意味だろうと思い、他のいろいろな人の氏名を入力してみて、ようやく、おおよその理由を理解しました。「結婚」というのは、人名と並んでよく検索されるキーワードのようです。おそらく、多くの人が「蛭川立 結婚」「蛭川立 結婚」「蛭川立 結婚」「蛭川立 結婚」「蛭川立 結婚」「蛭川立 結婚」「蛭川立 結婚」「蛭川立 結婚」「蛭川立 結婚」「蛭川立 結婚」「蛭川立 結婚」「蛭川立 結婚」「蛭川立 結婚」というキーワードを繰り返し、繰り返し入力した結果、サーチエンジンの方で連合学習が行われたのでしょう。

私以外の人の名前をいろいろ入力すると、「夫」「妻」「息子」「娘」「家族」などもよく出てきます。「結婚したい」というキーワードさえ出てきますから、単に家族関係を知りたいだけではなく、自身の欲望をそのまま入力して検索をしている人も少なくないようです。その他、所属組織や著書名、作品名などの他に、「離婚」「再婚」「盗作」「批判」「裁判」「辞職」、さらには「太った」「痩せた」「宗教」「血液型」といった言葉も出てきます。どこか、日本の週刊誌の広告のようでもあります。幸い、私の場合には、悪い噂にかんするキーワードは出てこないようです。

人工知能に知識を学習させる方法として、設計者が手取足取り概念を覚えさせるのではなく、沢山の人がGoogleのような検索エンジンに入力した語句を関連させて、概念のネットワークを構築するという方法があります。ブログやSNSなどの内容からも概念の関連性は分析できるでしょう。「〜したい」といった語句から、欲望の構造も分析できるかもしれません。これは、人間のような情報処理を行う人工知能を作るのに、効率の良い方法です。しかし、このような学習方法を通じて人間と同じ能力で情報処理を行える人工知能ができたとしても、それは、きっと平均的な人間の思考を再現することにしかならないでしょう。人情(?)はありそうですが、人間と同じような下世話な情報処理に夢中になってしまい、人間が高性能のコンピュータに望むような効率の良い仕事はしてくれなさそうです。あるいは、膨大なヴァーチャル経験値から、「Yahoo知恵袋」のような雑多な質問に、ほどほどに答えてくれるエキスパートシステムができれば、それはそれで役に立つのかもしれません。

ただし「概念」というのは人間の情報処理において、他の動物にはみられない、重要な特徴です。同居や生殖は物理的、生理的な出来事であり、他の生物とも共通するものです。しかし、「結婚(婚姻)」は記号であり、象徴です。人は「結婚(したい)」と入力することはあっても、「同居(したい)」とか「生殖(したい)」とは入力しません。「事実婚」のような奇妙な概念があることが示すように、しばしば人間は物理的な事実よりも象徴的な記号を優先させて考えます。シニフィエからシニフィアンが遊離し、物理的な対象に向かう「欲求」よりも、観念的な記号に向かう「欲望」が先立つのです。これは一種の倒錯なのですが、記号を操作することだけで世界を理解したことにするという思考形態は、むしろコンピュータの得意とする分野だともいえるでしょう。

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(2016/2559-03-05 作成 03-10 更新 蛭川立

人類学A 西暦2016年度

人類学Aの予定表です。建設中です。授業は「生もの」です。公式のシラバスどおりに進むとは限りませんので、随時、このページを参照しておいてください。

毎週の予定

日程 テーマ 内容
04/14 ガイダンス 「人類学者」としての蛭川の関心の所在
04/21 人類学的な視点 人類学という視点
宇宙的時空感覚
04/28 人類の進化史 人類の進化
    人類の分類学的位置
人種と民族
05/05 (祝日のため休講)  
05/12 親族と社会 ●概論
出自の規則
単婚と複婚
●トロブリアンド諸島民(母系+一夫多妻の例)
05/19 ●生物学的な視点から
生物学における「社会性」の概念
脊椎動物の社会
●類人猿の社会(参考:ヒト上科の配偶システム
05/26 交換としての婚姻
●オーストラリア先住民の親族構造(カリエラ型アランダ型ムルンギン型
●オーストラリアの先住民文化/アランダの人たち
親族構造の進化
06/02 象徴と儀礼 バリ島民の世界観
06/09 象徴的分類
文明社会における神話的思考
06/16 脳と宗教 ●アマゾン先住民のシャーマニズム(附属高校公開授業)
「茶」の文化的バリエーション
06/23 ●中米先住民のシャーマニズム
●変性意識状態の脳生理学
06/30 芸術とコスモロジー アマゾン先住民の美術
縄文文化のコスモロジー
07/07 交換と経済 オセアニア地域概説
ミクロネシア・ヤップ島の経済人類学
07/14  
07/21 全体のまとめ
07/28 (期末試験)  

GoogleMaps

※この授業は、どちらかというと、人類学の専門家を育成するための授業ではありません。そういう希望を持っている人は、お手数ですが、申し出てください。個別に対応します。この授業は、むしろ、将来、専門家にならない人に対して、人類学的な思考法をお伝えするものです。詳細な知識よりも、考え方の大枠を理解してもらえれば、と思っています。この授業を聞いたあとで、やはり専門的に勉強してみたい、と思うようになった人がいれば、三年次の蛭川担当の問題分析ゼミの受講をお勧めします。

このブログの記述の不十分さと、オンライン情報源へのリンクについて

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(2016/2559-03-04 作成 2016/2559-05-12 更新 蛭川立

インドネシア・バリ島の火葬儀礼

インドネシアバリ島の火葬儀礼

インドネシアバリ島では、日本と同じように、インドに由来する火葬が広く行われている。しかし、その華やかさには、驚かされるものがある。その背景には、どのような死生観、世界観があるのだろうか。

火葬には膨大な費用がかかるので、普通の人の中には、お金を貯めてから遺体を掘り起こし、改めて火葬にするという風習もある。

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西暦1998年1月3日、ギアニヤール県マス村の名家の第二夫人の火葬儀礼が行われた。

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棺桶を載せた「神輿」が威勢よく村を出発し、墓地に向かう。

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墓地に到着した故人の遺体は、張り子の牛に移し替えられ、焼かれる。

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翌日、遺灰は村に戻り、儀礼を済ませた後、海岸へと運ばれる。

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州都デンパサールの南、サヌールの海岸に到着した遺灰。最後の別れの儀礼が行われる。

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遺灰は船に乗せられ、喪主である息子の手で海に撒かれる。

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(参考:蛭川立パフォーマンスとしての葬送−バリ島民の世界観(1)」)


(2016/2559-05-24 撮影・作成 蛭川立

蛭川担当 情報コミュニケーション学入門

精神と身体の関係

「精神と身体の関係」という漠然としたタイトルですが、いわばこの講義シリーズは、それぞれの教員の自己紹介のようなものです。「情報コミュニケーション学部」という学際的な学部は、ともすれば何を学ぶ学部なのか、よくわからないということになりがちですが、逆にいえば、それぞれの教員が、それだけ個性的な研究をしているということでもあります。この授業では、私の研究の一環を皆さんに紹介します。例年、理屈っぽい話ばかりで、わかりにくかったので、今年は、インドネシアのバリ島での火葬儀礼の様子を、映像を交えながら紹介しつつ、本題へと話を進めていきます。

(2016/2559-05-24 作成 蛭川立

地球生物の中での人類の位置

地球生物の中での人類の位置

Domain ドメイン
Bacteria 細菌
Archaea 古細菌
Eucaryota 真核生物
 Kingdom 界
  Protista 原生生物界
  Plantae 植物界
  Fungi 菌界
  Animalia 動物界
   Class 門
   Chordata 脊索動物門
   …
    Subphylum 亜門
    …
    Vertebrata 脊椎動物亜門
     Phylum 綱
     …
     Chondrichthyes 軟骨魚綱
     Osteichtyes 硬骨魚綱
     Amphibia 両生綱
     Reptilia 爬虫綱
     Aves 鳥綱
     Mammalia 哺乳綱
      Order 目
      Primates 霊長目(サル目)
      …
       Suborder 亜目
       Strepsirrhini 原猿亜目
        Infraorder 下目
        Lemuriformes キツネザル下目
        Loriformes ロリス下目
        Tarsiiformes メガネザル下目
       Haplorhini 真猿亜目
        Platyrrhini 広鼻下目
         Superfamily 上科
         Ceboidea オマキザル上科(新世界ザル)
        Catarrhini 狭鼻下目
         Cercopithecoidea オナガザル上科(旧世界ザル)
          Family 科
           Cercopithecidae オナガザル
         Hominoidea ヒト上科(類人猿と人類)
           Hylobatidae テナガザル科
            Genus 屬
            Hylobates テナガザル属
           Pongidae オランウータン
            Pongo オランウータン
           Hominidae ヒト科
            Gigantopithecus † ギガントピテクス属
            Gorilla ゴリラ属
            Pan チンパンジー属
             Species 種
             Pan troglodytes チンパンジー(ナミチンバンジー)
             Pan paniscus ボノボ(ピグミーチンパンジー)
            Sahelantropus † サヘラントロプス属
            Orrorin † オロリン属
            Ardipithecus † アルディピテクス属
            Kenyanthropusケニヤントロプス属
            Australopithecusアウストラロピテクス属(華奢な猿人)
            Paranthropus † パラントロプス属(頑丈な猿人)
            Homo ヒト属
             Homo rudolfensis
             Homo habilis
             Homo erectus †(原人)
             Homo floresiensis † フローレス人
             Homo heidelbergensisハイデルベルク
             Homo neanderthalensisネアンデルタール人旧人
             Homo sapiens denisova † デニソワ人?
             Subspecies 亜種
             Homo sapiens idaltu † イダルツ人
             Homo sapiens sapiens ヒト(新人、現生人類)


†は絶滅群。…はその他の分類群を省略したことを意味する。ここで挙げた分類は一例であり、分類学の統一見解ではない。現在主流になっている分岐分類学では単系統群だけを分類群として認め、厳密には(爬虫綱に対する鳥綱や哺乳綱など)側系統群は分類群として認めないため、従来の慣用的な分類は使えなくなり、分類群は研究が進むにつれ増えていく傾向にあるが、ここでは従来用いられていた側系統群も分類群として扱っている。


※この文章は講義のためのメモです。口頭で不足部分を補わなければ不十分なところがあります。自動的にリンクが張られている「はてなキーワード」や、それを回避するためもあり、意図的にリンクを張っている「wikipedia」の内容は、あくまでも参考程度にしてください。インターネット時代の貴重な共有資産は積極的に活用すべきですが、しかし、えてして質より量になりがちな情報の氾濫から有意味な知識を得るためには、コンテンツを批判的に読むための教養が必要です。


(2005/2548-04-11 作成 2016/2559-05-01 作成 蛭川立